東京ジオラマ展が実現するまで(後編)

東京ジオラマ展が実現するまで(後編)

この記事は後編です。前編はこちらからご覧いただけます。

https://diorama.design/gallery/1394/

東京ジオラマ展では、コンセプトの「鉄道模型をアカデミックに、アーティスティックに」を実現するため、以下の取り組みを実施しました。

①イノベーションを起こすことを意識したトップダウン型の組織づくり

 東京ジオラマ展実行委員会では、トップダウン型の組織を採用しました。意思決定機関を一箇所に集中し、展示作品と物販のクオリティコントロールをしていくことを図りました。

 作品募集は一般公募ではなく完全招待制としました。博物館や美術館の企画展のように、テーマに沿った作品を主催者が集めていく方式です。限られたスペースで趣旨にあった魅力的な作品を展示するためです。模型雑誌やSNSで東京がテーマの魅力的な作品や商品を探していきました。

 10月ごろより順次、出展作品の申し込みの受付を開始し、前回出展いただいた方と都市系モデラーの皆様にお声がけしていきました。新しい価値を生み出すイベントの実現のため、モデラーやディーラーの一人一人と交渉していきました。多くの方に東京ジオラマ展の趣旨と理念に共感いただき、出展いただくことができました。

 初回のため不安な点も多かったと思いますが、理想の実現にお付き合いいただき、大変感謝しております。

②地域や沿線ごとの展示

 一般的な鉄道模型のイベントは製作者やグループごとに固めて展示しますが、今回はあえて地域や沿線ごとに展示することにしました。


 ジオラマは風景の一部を切り取ったものですが、同じ地域の作品を同じコーナーに並べることで作品に連続性と関連性が生まれ、会場全体で「東京」を表現することを意図しております。これにより、各作品に「役割」を与えることができたと思います。出展者の方から、作品の管理や破損への懸念の声を多くいただいておりましたが、皆様のご理解をいただきながら、作品の位置を調整していきました。

③コミュニティ作りを意識した展示空間作り

 今後も魅力的な作品の展示機会を確保するため、イベントは一度開催したら終わりではなく今後も継続的に開催することを目指しました。そのため、イベントを活用したコミュニティの形成を目指しました。

 出展者の皆さまに作品を紹介する掲示物の作成を依頼し、話しかける「きっかけ」を作りました。地域や沿線ごとの展示はモデラー間での交流を促進することも意図しております。

 初回が無事に終わるかどうかも分からない中、第2回に向けてイベントを通じてコミュニティを拡大する取り組みも実施しました。モデラーや業界の企業さまを無料招待し、意見交換や次回の出展や協力要請をしました。

 今後はこのイベントをきっかけにして誕生したコミュニティの維持と拡大を、このジオラマデザインも活用しながら取り組んでいきます。

1坪100円レイアウト展との合流について

 3月中旬ごろ、1坪地主会代表の巌様が偶然東京ジオラマ展と同じ日にオフ会を企画されており、会場を探しておられました。ジャンルは異なるものの、同じ鉄道模型のイベントで相乗効果が見込めるため、東京ジオラマ展の会場内で「1坪100円レイアウト展」を開催していただきました。


 実在する風景をそのまま縮尺することが多い東京エリアと、架空の風景をデフォルメして楽しむ1坪作品を同じ空間に展示することで、双方にとって良い刺激になったと思います。

↓1坪100円レイアウトの例(巌さま製作)

東京ジオラマ展のデザインについて

 鉄道模型をアート化するため、ポスターや各種掲示物のデザインにはかなり力を入れました。ポスターはPetaBahn様に、チケットデザインとイメージイラストはヤゴクレ様に製作をお願いしました。

 ポスターは展示作品を多く入れていただき、東京がテーマの作品が多数集まることを強調しました。チケットデザインはあえて写真ではなくイラストとし、東京ジオラマ展の趣旨と展示内容が分かりやすく伝わるよう、工夫しました。
  
 また、各エリアごとにヤゴクレ様のイラストを活用した掲示物を作成しました。展示作品の役割の明確化と、出展者同士や、企業、お客様と交流する「きっかけ」を生み出せたと思います。

 会場内の各種掲示物の作成は1坪地主会の巌さまに多大なご協力をいただきました。会場内の注意書きは「東京ジオラマ展」と「1坪100円レイアウト展」で共通化し、会場内のデザインの統一と、出展者の負担軽減を図りました。

東京ジオラマ展を振り返って

 今回は376名もの方にお越しいただけました。目標より多く、大変感謝しております。普段はあまり模型を購入しないライト層やファミリー層の方にも多くお越しいただきました。「鉄道模型のアート化」という目標に一歩近づけたと思います。


 また、多くのモデラーや模型業界の関係者の方にお越しいただきました。モデラーとお客様、企業の交流の場を創出できました。鉄道模型や都市系ジオラマのコミュニティの拡大に寄与できたと思います。

最後に

 東京ジオラマ展は多くの方のご協力により実現できました。改めてお礼申し上げます。この度は東京ジオラマ展にご協力いただき、本当にありがとうございました! 

 第二回は2月8日に開催予定で、展示面積は前回の2倍以上です! 詳細は決まり次第発表いたしますので、続報をお待ちください。
 
#東京ジオラマ展 #イベント

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