世界一のジオラマ展示施設
見渡す限りのジオラマの世界を鉄道模型が走り回り、飛行機が飛び立ち、ミニカーや遊園地まで動く。
ジオラマ好きな皆様ならYouTubeでそんな夢のような場所の動画を一度は見たことがあるのではないでしょうか。
もし知らなかったという方はぜひこちらをご覧ください。
ここはドイツにあるミニチュアワンダーランド。
世界一のジオラマ展示施設と言い切って間違いないでしょう。
毎年100万人以上が訪れるほど大人気の施設です。
私もジオラマを作る者としてかねてより一度は訪れなければと考えていました。
そして今回、その念願叶って丸2日間見学してきました!
圧倒的な密度、規模、そして作る人たちの愛が伝わってくる、そんな場所でした。
とりあえずジオラマ好きな人はこの先読まなくていいので秒でチケット取って行ってきてください。
そう言いたくなるくらいに素晴らしい場所で、その魅力は実際見てもらわないと伝わり切らないでしょう。
ここではほんのわずかでも、その感動をおすそ分けできれば幸いです。
動き回るミニチュアたち
ワンダーランドのYouTubeを見た人ならご存知かと思いますが、ジオラマ内には鉄道、飛行機、車、数々のギミックなどが動き回っています。
しかし私はミニチュアを動かす難しさを知るものとして、現地に行くまで本当にそれらが常に動いているものなのか懐疑的でした。
実際には、その心配は完全に的外れであり、全てが想像以上の数が安定して走り回っており圧倒されることになります。
まずは鉄道。
鉄道はDCCを使ったHOゲージの自動運転がなされており、さまざまな種類の列車が自動で駅にも停車しながら頻繁に行き来します。
視界に動いている鉄道が目に入らないタイミングはない程度に同時に多くの列車が走り回っており、
2日間一度もトラブルを見かけませんでした。
走り回る鉄道を定点で眺めているだけでも楽しいものです。
(実はトラブルはある程度の頻度で起きているそうですが、お客さんが気づかないように修正される場合が多いそうです。)
そして飛行機。
飛行機は独自システムで動いており、2本の棒に支えられて着陸、
タキシングを経てターミナルへ、
するとボーディングブリッジまでもが動いて機体へつながります。
その後トーイングカーにプッシュバックされ滑走路まで移動、離陸するという一連の流れが再現。
たまにスターウォーズの機体やデカいハチが飛んできたり飽きさせません。
航空会社も全世界各地の機体が就航しており、もちろんANAやJALも飛んでいました。
自動車は空港内にも多数走り回っています。
飛行機が来たら皆進路を開けるように停車し、飛行機が通過後にまた自動で走り出す。
空港だけでなく複数のエリアに自動車が走っており、全エリアで同時に約300台の車が走り回っているそうです。
そして車も事故は少なく、とても安定して走っていました。
しかし一度、目の前で3台が絡む事故を目撃しました。
3台の車がぶつかり合って動かなくなってしまい社内の人が直しに来るのかと思って待っていました。
そこでまさかの驚くべきことに、車が自分でバックして正しい進路へ戻って走り始めたではありませんか!
道路は管制室から常にカメラで監視されており、トラブルが起きた際には遠隔でバックなどの操作が可能になっているようです。
事故の対処もしっかりと考えられており、素晴らしいシステムに感動しました。
鉄道と車の制御は、多くのモニターの集まる管制室で一括管理されているようです。
この管制室はオープンになっており、お客さんも自由に見学することができました。
雰囲気は本物の鉄道や高速道路の指令室さながらですね。
F1モナコグランプリが再現
また、車のシステムは最近オープンしたモナコエリアのF1にも注目すべきです。
こちらはこれまでのシステムとは全く異なるもので、道路に埋め込まれた電磁石によってF1カーを制御するリニアモーターのような技術です。
開発には膨大な時間とお金が投入され、ついに今年完成したばかり。
その動きは本当にスムーズで、ジオラマ内に仕込まれたカメラを経由して映し出される映像は本物のF1モナコGPとぱっと見見分けがつきません。
目線を落とせばそれが1/87スケールの世界で繰り広げられている事実に驚愕します。
本当にあり得ない、夢でも見ているかのような感覚に陥りました。
ここまでのレベルに仕上げるまで諦めず、時間とコストを惜しみなく投下する背景にはミニチュアに対する情熱の強さがあるのでしょう。
ジオラマ内に仕込まれた数々のギミック
最後に数々のギミックとジオラマ自体のクオリティの高さ。
ギミックの多くはボタンを押す事で動作させることができます。
特に人気なのは遊園地。
観覧車だけでなくジェットコースターや小さなアトラクションまで動いていて圧巻です。
夜景も多くのLEDが組み込まれていて本当に美しい。
実は遊園地のアトラクションは既製品も含まれているそうです。
ドイツのメーカーであるFallerといったメーカーから動く製品が出ているため、それを長期使用に耐えるよう改造しているとのこと。
現地メーカーが製品化している土壌も素晴らしいですし、それをトラブルなく動くようにした技術者もまた素晴らしい。
多くのミニチュア好きによる最高の技術の結集によってなされる業なのでしょう。
人形のストーリーとジオラマの魅せ方
たくさんの人形が演出するストーリーは各所に散りばめられており、それを探すだけでも1日が終わってしまいます。
密度感がやはり圧倒的で見飽きません。
これだけの広さがあるのに、建物の断面や地下まで再現されてたりするんですから…
ああ、これを一から作ったことを考えると頭おかしくなりそうですね。
ジオラマの配置としても、地形にアップダウンをつけて意図的に景色を隠すことでさまざまな角度から楽しめるようになっています。
手前に大きい建物や、丘が配置されている箇所もあるのが印象的でした。
谷間からチラ見えする鉄道もまた魅力的です。
風景も実景をそのまま忠実に落とし込むだけではなく、見栄えするようにデフォルメされたり、
本来はそこにないものを配置して魅力的な風景にしたりと、様々な工夫が見られました。
どのように配置すればその土地がより魅力的に見えるのか、単にリアルなだけではない魅せ方はとても勉強になります。
壁の断面には地下駅が埋め込まれていたり、頭上の長大橋梁を走ったり、さらに地面にまで線路が埋め込まれていたりと、館内に鉄道が張り巡らされているのも子供の頃の夢を思い出すようで魅力的です。
あとはYouTube見て、現地に行くべし!
まだまだ語りたいことはいくらでもあるのですが、
おそらく私が書き続けるよりもミニチュアワンダーランドの公式YouTubeを見てもらう方が面白いかと思いますので、ジオラマ好きは全部の動画チェックしてください。これ必修です。
(最近は自動翻訳で日本語字幕を表示できます!)
相当な動画本数出してくれているので覚悟してください。
https://www.youtube.com/@MiniaturWunderlandOfficial
ワンダーランドのすごいところは、展示物や技術を惜しみなくネット上で公開しているところ。
実はストリートビューで中まで見ることもできちゃいます。
しかしやはり、ミニチュアの魅力って実際に見ないとその半分も感じられないものなんですよ。
そのサイズ感でそんな繊細な動きするのか!ジオラマのくせに山デカすぎる!
みたいな感動がいくらでもありました。
繰り返しになりますが、ここまで読んでくれるくらいのジオラマ好きは絶対行った方がいいです。
ちょっとでも行きたくなったそこのあなたのために、
次回投稿予定の記事ではドイツミニチュアワンダーランドへの行き方をご紹介したいと思っています。
それではまた。 Danke schön!
次回はこちら
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