CAD鉄とは?
CAD鉄は、鉄道模型をCADを使って製作する方々の集まりで、定期的にイベントを開催されています。イベントでは申し込めば誰でも参加、プレゼンをすることも可能です!
私も以前に聴講させていただいたことがあり、3DCADの技術を勉強させていただきました。そして今回は私の方からイベントでの作品展示での参加をお願いしたところ、プレゼンまでさせていただくことになり登壇いたしました。
他のプレゼンターの皆様とも色々お話しして、プレゼンでも色々勉強になることがたくさんありましたので、その内容の一部をまとめます。
3DCADを模型にどう活用するか
プレゼンターの皆様の多くは3DCAD、特にFusion360を使われている方が多くいらっしゃいました。この3DCADでどのように鉄道模型を作られているのかですが、基本的には光造形式の3Dプリンターを使用しています。
また、列車の直線的な部分は紙のレーザーカットで製作し、顔の3次元曲面を3dプリントで再現される方もいらっしゃいました。
3Dプリントした部品は変形しやすいといったデメリットもあるので、使い分けることも大切になるようです。
列車の顔部分は3Dプリントに向いていることは間違いなさそうですね。
3Dプリントはずるい!?
最近話題になっている3Dプリントはずるいという意見についての話が会場でも話題に上がりました。
3Dプリントを使いこなす方々の意見として出たものが、
3Dプリントの難しさを十分に理解いただけていないことが問題であり、手作業とはまた違った苦労があることを知ってもらうのが大事ということ。
これには3Dプリントしたものを発信する側が、「3Dプリントしました」とだけ書いてTwitterなどに上げていることが、3Dプリントは簡単だと勘違いする原因になってしまっているのでは、という意見もありました。
発信の仕方は納得する面があり、私も反省です。
ボタン一つでものが出来上がるわけではないことを知ってもらいつつ、3dプリントや3DCADの技術を共有してより広く3dプリンターを普及させることが目指すべきところであると感じました。
CAD鉄はそれを目指す上で非常に適した場所ではないでしょうか。
今後どのようにモデリングし、どのような設定や機種でプリントしたのかなど、3Dプリント過程への注目も集まっているかと思いますので、私もうまく発信できればと思います!
フルカラー3Dプリント品の研磨
最近はDMM.makeの3Dプリントサービスなどで安くフルカラー3Dプリントを利用可能になってきました。
会場ではフルカラー3Dプリント品の展示もありましたが、やはり気になるのは色の境界がぼやけること。
鉄道車両などの人工物は色がくっきり出ないとリアルさが損なわれてしまいます。
そこで表面の積層跡を研磨して面を綺麗にすることで色の境界もある程度綺麗になっているのがわかりました。
しかし同時にフルカラーの研磨はかなり難易度が高いみたいです。
フルカラー品を粗い目のヤスリで磨くと色が落ちてしまうそうで、2000番といった細かい目の物を使う必要があるそう。細かいもので磨くとなるとかなり根気のいる作業となりそうですね。
また、水をつけて磨くとこれまた色が落ちてしまうそうです。
フルカラー品を研磨した情報はこれまで聞いた事がなかったので大変勉強になりました。
磨く際にはかなり気を使う必要がありそうです。
3Dスキャナーの活用
最近3Dスキャナーも個人で手の届く価格帯になってきました。しかしそれを活用している方はまだまだ少ない気がします。
しかし、今回は鉄道車両の実車3Dスキャンを実際に活用された事例のプレゼンもありました。
公園の展示車両の顔や連結器をスキャンして3Dプリントデータ作成に活用されているそうです。
写真の新幹線の車体は顔を3Dスキャンし、3Dプリントして再現されたもの。
素晴らしい出来と、3Dスキャンの実用的な活用法に感動しました。
また、最近はiPhoneやiPadでもLiDARと呼ばれる技術を使用した3Dスキャンが可能になっている話も話題に上がりました。今回紹介いただいた3Dスキャン事例はiPad外付けの3Dスキャナーを使用されたそうですが、最新のLiDARを使うとiPhoneやiPad単体でもこのような3Dスキャンが可能になりそうです。
3Dスキャン技術は今後広く普及してくると思いますので、とても楽しみですね。
ジオラマへの3DCADの活用
最後に私の発表では3DCAD(Fusion360)を活用したジオラマ制作についてお話しました。
3DCADをジオラマに使うメリットとして挙げたものは、
・設計段階で全体イメージを確認できること
・3Dプリントデータに直接使える
・2Dのカットデータにも展開可能、設計ミスも減る
という3点です。
特に1点目のイメージ確認は重要だと考えています。
よくジオラマの風景の切り取り方について聞かれますが、これは画面の中で作る前に確認しているのは大きなメリットだと今回のイベント用のプレゼンを作っていて改めて感じました。
次のCAD鉄のイベントでお会いしましょう!
ここではあまり踏み込んだ話は書けていませんが、実際のMeetupのプレゼンは本当にレベルが高い!
プレゼンターの方は本業技術職の方も多く、趣味には収まりきらないほど専門的な話もありました。
鉄道模型に限らず、これから模型製作で3Dプリンターを始めたいといった方から、すでに3Dプリンターを使いこんでいる方まで、ぜひ参加いただければためになること間違いありません。
私も今後勉強しつつ、プレゼンターとしても参加させていただければと思います。
次のCAD鉄イベントも楽しみです。
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