1/80スケールで代々木会館を作る
今年11月11日には新海誠監督の最新作、「すずめの戸締まり」が公開になりますね!
私は新海誠監督の描く風景が大好き。ストーリーももちろん面白いですが、その風景の選び方、描き方に毎回とても惹き込まれてしまいます。
そこで今回、前作の天気の子の象徴的な建物である代々木会館を1/80スケールで制作することにしました。
代々木会館とは?
代々木会館は2019年頃まで東京の代々木駅付近に実在した建物です。
しかし、2020年1月には取り壊しが完了し、その姿を消しました。
取り壊し前の姿を私は実際に見ることができませんでしたが、ストリートビューなどで見る限り、廃墟感のある異様な雰囲気を放っていました。
天気の子以外にも、昔のドラマの舞台にもなったことがあるそうです。
現在は、すでに実在しない建物ということで、平成の風景をジオラマで残したいという私の思いに合致する部分もあり、制作を決めました。
天気の子に登場する代々木会館
実は天気の子に登場する代々木会館は実物とは異なる点がいくつかあります。
細かい建物の形状もそうですが、大きなところだと外階段が追加されていたり、屋上に鳥居と祠が建てられていたりと、天気の子独自の要素があります。
そこで今回は、天気の子仕様をできる限り忠実に再現することにしました。
参考にしたのは天気の子のオフィシャルビジュアルガイド。この本の中には代々木会館など映画に登場する建物の3DCG画像が沢山収録されていました。
制作開始!
3DCADの設計データを元にレーザーでイラストボードをカットしてビルの形を作ります。
今回、3DCAD設計は私ではなく、以前スクランブル交差点のビル設計でもご協力頂いた方に設計していただきました。
私はそのデータを元にレーザーカットして組み上げるだけです。
屋上の制作
建物を組み上げて塗装した後、特徴的な屋上を作り込みます。
神社の鳥居は爪楊枝をカットして製作しました。床のタイルの隙間にはターフをまぶし、しぶとい雑草を再現。さらに黄色の塗料を所々にのせて、花が咲いている雰囲気も再現しました。
他にも室外機や複雑な配管などは3Dプリントで製作し、屋上のごちゃごちゃ感も演出。
建物壁面と窓ガラス
建物壁面は一部を不規則に切り欠いて崩れた感じを表現。
さらに上からブルーシートをかぶせました。このブルーシートはアルミホイルを塗装して製作。
窓ガラスもカッターで引っ掻いてひび割れを表現。
外階段の製作
天気の子の特徴でもある外階段はレーザーカットしたペーパー製。階段の支柱はプラ棒です。
一段一段接着して階段の形状に組み立てました。
ここで作ってみて驚いたのが、この外階段、神社のある屋上までは直接繋がっておらず、途中にはしごがあるということ。
かなり不自然な構造になっている気がしますが、カオスな代々木会館なら違和感は少なめですね。
おそらく実物にはない外階段を無理やり後付けしたことで、はしごを使わざるを得なかったのか?と推測します。
映画内にははしごを登るシーンはほとんど映されていないため、気がつくことはかなり難しいですね。
小物や工事の壁の製作
建物壁面には室外機や看板、軒先テントを設置。
室外機と看板は3Dプリント製、軒先テントは内部の骨組みを3Dプリントして、外側にアルミホイルを貼り付けました。
また、工事中の設定であるため、建物と道路の境界には工事の壁を設置。
完成!
制作期間は3週間ほどでしょうか、1/80スケールの代々木会館が完成しました。
実は1/80スケールは初めてで、大きいために苦戦する部分もありました。しかし、やはり1/150スケールよりも迫力があるので、建物1つだけのジオラマとしては良いサイズ感なのではないでしょうか。
制作中あまり写真を撮っていなかったので、写真少なめになってしまいましたが、制作動画はバッチリ撮ったので映像はそちらをお楽しみいただければ幸いです!
制作動画も公開!
11月6日夜にはテレビで天気の子が放送されます。
そこで、同日映画の放送に合わせてこの代々木会館の制作動画も公開させていただきました!
映画を見終わって余韻に浸りながら楽しんでいただけたならば幸いです。
映画の世界観を壊さないような編集を心がけて撮影、編集を頑張ってみましたので、ぜひご覧ください。
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